田舎町

カフェがない!(コミュニティカフェとは:その5 )

都市部に住んでいるとあちこちにカフェがあります。ちょっと疲れたからコーヒーでも飲んで休もうと思えば、手に届くところにカフェがある。

これは実は大変贅沢な環境って知っていましたか?

休める場所が全く無い、という地域が日本にはたくさんあるのです。

私は2014年度に福島県広野町でコミュニティカフェの講座を開いていました。

広野町はいわきからレンタカーで1時間弱走ったところにある、海沿いの町です。

初めて広野町に行った時に、そこにレンタカーで連れて行ってくれた人がいわきをなかなか出発しないので、どうしたのかと思ったら「あんまり早く行っても時間つぶす所がないからね……」と、言うのです。

確かに広野駅に行ったら、駅前にだだっぴろい駐車場があり、タクシーさえも止まっていない。目につくところは居酒屋が数件と和菓子屋、銀行だけ。終日営業しているところはほとんどなし。

「今度のランチ、どこに行きましょうか?」などとウキウキ言っている都市在住の私の友人の奥様方は卒倒しそうな場所なのですよ、これが。何にもないんだから。

あんまり驚いたので、地元の若い主婦らに「ゆっくりしたい時、どうしてるの?」と聞いたら「したくてもゆっくりする場所がないからできないの」と、嘆いている。

自由な時間が多く持つ事ができれば、車で40分くらいのいわきへ行ってカフェに行くことができる。

でも、若い世代で子供がいる家庭や高齢者はそんなに多くの時間、家を離れることはできない。家を離れると、嫁姑戦争に発展する可能性もあるから、おいそれと外出できない。

都市部に住んでいれば、カフェなどいくらでもあるから、「ちょっと牛乳が無くなってね。急いで行かないと」などと言って、ダンナに子供を預けて買い物のついでにカフェに行くこともできる(それは私)。

が、広野のような地域に住んでいる人たちは「カフェでゆっくりしたい」「気晴らしに友人とお茶をしたい」などと思っても、そういうまとまった時間ができるのは、数か月後か…?という状況なのです。

それで、私は強く思いました。ここにこそ「コミュニティカフェ」が必要だと。

地元の人によれば、もともと飲食店は少ない地域だったそうですが、震災の影響もありいわゆる「カフェ」については、町内で1店あるかないか、といった状況らしい。

振り返ると、私も子供が小さい頃は「ちょっと牛乳がなくてね」などと言って、家族が面倒を見ていてくれる短い間に、気晴らしにカフェへ行ったことはよくありました。

コーヒーとお菓子を短い時間でも、日常を離れてゆっくり楽しむことで「もうひと頑張りしようか」という気力が生まれるのです。

カフェにはそういった力があると思います。

ちなみに、私はあまりお酒が飲めるタチではないので「酒飲んでストレス解消!」というわけにはいかないのですよ。何だか寒気がして次の日気分が良くないことが多く、かえって体調が悪くなってしまう。

広野町には居酒屋は数件ありますが、夜出かけられない人やお酒が飲めない人(=私)にとっては、やっぱりカフェのように、少しの間でもゆっくりできる場所がほしい。

そんな広野町で、私は「コミュニティカフェ講座」を、平成26年度に1年間開きました。

その様子を次でお伝えします。